コンビニ弁当に打ち勝つ「原価をいかに抑えるか」-ビンデンの歩み③-

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現在では多くのファンに支えられているフェアビンデンの「お母さんにおまかせ弁当」でありますが、国産食材と手作りにこだわったゆえに、製造原価をいかに抑えるかという課題がありました。実際、当初は650円でお弁当の価格を設定しましたが、コンビニ弁当や付近の弁当屋が400~500円台で販売する中、売上は正直芳しく無かったです。現在はコストを抑える工夫を重ねることで600円にして成功していましたが、50円の差が、売上に大きく響くのでした。

成功の鍵の一つである原価低減のために、以下のような工夫が行われています。

①産地直送や旬の食材、規格外・無差別食材を積極的に使用・・・仕入れた先の農家と粘り強く交渉し、形や大きさなどの選別の手間を省いた無差別食材を送ってもらっています。流通費用をフェアビンデン持ちにすることで、食材を生産者の庭先価格で入手できました。

②お弁当の種類を、日替わり弁当のみの1アイテムに絞りました・・・販売価格を抑えて利益を確保するには、原価計算が命です。アイテム数を増やすと、メニューを考えることが大変になるのと、それぞれの原価計算と食材の在庫管理が困難になります。メニュー作成が容易になるし、食材の余りやお弁当の売れ残りなどの廃棄ロスも最小限に出来ます。

しかし、上記のような取り組みには、欠点もあり、苦労が増えてしまいます。産地直送の「食べころ」の食材を無差別で送ってもらうため、その日その日の収量によって収穫量が変動し、発注通りの種類や数量が来るとは限りません。毎週金曜に翌週のメニューを決めて食材の発注を行うものの、翌週に届いた箱をあけてびっくり、ということもしばしばでありました。

したがって、メニューには常に直前まで調整が入ることになります。翌日のメニューのために下ごしらえしてある食材が予定通りには使えなくなり、急にメニューの組みあわせをかえることもあります。また日替わり1品勝負なので、毎日来てくれるお客様のために、似たメニューと感じさせないよう、同じ材料でも、味付けはもちろん切り方にまで気を配ってます。不揃いの野菜を余りなく使うために、野菜を切る大きさも臨機応変に変えています。機会が使えないため手間が掛かりますが、切り方一つで食材が余ったり不足したりするので、手は抜けません。

ここに「お金を使う」かわりに「頭を使い、今あるありあわせの食材でメニューを作る」という主婦の知恵が生きているのです。石井氏は、フェアビンデンの開業にあたって、ホテル経営のレストランと、公共施設のレストランの原価計算の講義を受けました。利益を追求し、設備で効率を補うサービスと、原価率が多少高くても大丈夫なサービス、両極端なところを2つ比較したことで、原価率10%も異なることがわかりました。それらから、設備もなく原価率を抑えなければならない現在のフェアビンデンのオペレーションをどうすべきか、ヒントを得たそうです。

多くの店では「メニューを決めて」から仕入れをします。フェアビンデンでは仕入れた商品に合わせて、メニューを決めます。それが、材料費を抑えられるキモです。1つの食材について本当にいろりいなメニュー、使い方を持っており、それが主婦の知恵に活かしどころであります。お客様の会話から、付近の大きな会社の夏休みなども把握しており、無駄な仕入れを抑えるようにしております。

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