主婦の知恵と感性を生かしたお弁当創り-フェアビンデンの歩み④-

「お母さんにお任せ弁当」は国産食材と手作りによる安全・安心にこだわっているが、石井氏は「安全で安心はお客様にとっては当たり前であり、それだけでは買ってもらえない」「やはり美味しいことが基本で、それにプラスアルファした価値が感じられないと売れない」と話しておりました。そのためフェアビンデンでは、メニューと調理法に対して、非常に気を遣い、またこだわりを持っています。

金曜日の午後、フェアビンデンでは、スタッフが集まり、翌週のメニューに関して、ディベートが繰り広げられております。味のバランスや強弱を考え、主役と脇役を考える。そして調味料の使い方や色のバランスも考えるのです。

食材の使い方も重要なポイントであります。大根一つとっても、平場の畑のものと高原のものでは、味や食感が異なり、季節によっても違うため、それも踏まえて調理法やメニューも変えます。野菜の切り方も100食がちょうど作りきれるように、また前日のメニューと同じに見えないように気配りします。料理の中身だけでなく、ネーミングにも美味しく、魅力的に見えるように気を遣います。

芋類は、煮過ぎると煮崩れするため、芋ひとかけられも無駄にしない調理を心掛けています。最適な温度と浸透圧の関係を経験的に発見し、ゆでる前に蒸すことで、味のしみ込みがよくて煮崩れしない調理法を確立したそうです。しみ込ませる出汁には一流のかつおぶし・昆布や醤油を使っています。

御客様の中には「他の自然食品の店の料理には、あまり美味しくないものも多い」「フェアビンデンは自然食品と手作りにこだわりながらもしっかりとした味付けで美味しい」とファンになった顧客も多いです。尚、お弁当は数が不足し「売り切れ御免」となることもしばしばでした。これが結果的に売れ残りの削減に繋がりますし、お弁当の貴重感を出しております。勿論、売り切れたお客様には翌日のメニューを説明して、来店を促すようなフォローもしっかり行いました。

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