生産者を助け、良い食品を確保-フェアビンデンの歩み⑥-

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石井氏は、東都生協時代からの人脈を最大限に活用しました。お弁当の食材は、昔からのお付き合いがあり安心して食品を仕入れられる農家や組合から仕入れております。また食農研センターの活動を通しての各種団体や大学、研究者との繋がりも活かしました。

農業関係者からの紹介で、都内の小学校・中学校など、学校での食育講演やおいしく体に良いお弁当の作り方などの調理指導を行っております。子どもだけでなく、保護者特に若い母親や、教職員に対しての意識づけにもなっております。

フェアビンデンでは、良い食品の生産・流通を促進するには、高品質で安全な食品に対する実需要を作り出すことが、農家や流通業者に対する何よりの動機づけになると考えております。そのためには実際に消費者に食べてもらう機会を増やすことが一番です。お弁当での需要はまだまだわずかなものですが、それに接した消費者が、自主的に良い食材を選択するきっかけを作れるものと考えております。

また消費者の評価や感想を直接生産者に届ける機会を作ることで、生産者に対する品質改善の方向づけを支援しております。例えば、以下のとおりです。

①食育ツアーの企画実施

フェアビンデンの常連客を生産や収穫の現場に連れていき、生産者へ直接消費者の意見を届けています。例えば、ある果樹の生産者組合で、現地での収穫体験を兼ねた品評会を実施しています。その生産者組合では、それらの評価を集計して、組合の利益配分に傾斜をつけているそうです。それを聞いた消費者もいい加減な評価はできないと、真剣な表情になり、一つ一つの農産物を味わったり農家の人々に話を聞いたりして評価を行っております。収穫体験のあとは組合のメンバーと消費者が直接話をする食事会も行っております。

②各種の生産者の運動支援

農地再生のための里山運動なども支援しており、常連客に農業体験ツアー付きの里山運動を紹介しております(ヤーコン畑の里山運動)。

③生産者への情報発信

生産者組合の会報等に、消費者ニーズについての記事を投稿したりしております。都会の消費者が好むような調理法やアイディアなどを、消費者の視点から記事にし、生産者に読んでもらっております。これらの活動を通して、フェアビンデンスタッフは農家からも高い信頼を得るようになりました。

事業としての収入を順調に増やしているフェアビンデンでありますが、収益面ではまだ不十分です。仕入原価と家賃及び諸活動のための支出を差し引くと、スタッフに対する報酬が十分とは言えません。

しかし、御客様や仕入先とのやり取りを通して、社会との接点が持てること、仲間同士で知恵を出し合って工夫したことが御客様に評価され、弁当の売上に繋がる事や、御客様との喜ぶ顔を見る事、自分たちの培ってきた技術や知識を若い世代に伝える事、などは何事も代えがたい、スタッフの働き甲斐と生きがいとなっております。

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